Aiが振り込め詐欺を未然防止!福岡銀行が取り入れた異常検知システムとは

昨今、超高齢社会を迎える日本においては、 詐欺被害、家族との音信不通、認知症などといった、高齢者を取り巻く数多くの問題が山積みになっています。

防犯や医療の面においても絶大な力を発揮してくれるAiの存在ですが、今回は、福岡銀行が取り入れたAi搭載型の口座異常検知システムを皮切りに、詐欺被害の撲滅にAiを活用するメリットなどについて、わかりやすくご紹介していきます。

Ai搭載の口座見守りサービスとは

福岡銀行は7月13日より、一部の口座保有者を対象に、銀行口座の見守りアプリケーションである「口座見守りサービス」のテスト提供を開始しました。

口座見守りサービスとは、福岡銀行(福岡県福岡市)と株式会社エクサウィザーズ(東京都港区)が共同開発を行った、Ai搭載型の口座異常検知システムです。

専用アプリをダウンロードすることによって、登録口座の情報を親子同士で瞬時に共有できることだけではありません。過去の決済情報のAi分析を通して、支払い状況の異常やその兆候なども検知することができるため、振り込め詐欺や払いすぎへの防止効果が期待されています。

現在は一部の口座保有者のみのテスト提供ですが、2020年度中には福岡銀行のすべての口座保有者を対象に本格的なサービスリリースを予定しているそうです。

Aiによる口座見守りサービスの特徴

口座見守りサービスは、 銀行口座と連携することで、ATMや公共料金の支払いデータをAiが分析し、家族の状況をより早く把握することができます。

口座の支払い状況の異常を検知することで、詐欺や払いすぎなどを早期発見できるほか、口座利用の傾向変化を捉えることで、認知機能低下の兆候を発見でき、変化の兆候についてもアプリを通じて親子間で共有することができます。

支払い状況の共有

専用アプリから登録された口座の情報を簡単に確認することができるため、異常性のある決済や傾向変化をいち早く検知し、親子間で共有し合うことが可能です。

詐欺や払いすぎの防止

オレオレ詐欺やワンクリック詐欺などの古典的な詐欺手法から、仮想通貨を利用した新手の詐欺手法まで、近年ではさまざまなバリエーションで詐欺の多様化が進んでいます。

過去の振り込み情報などのAi分析を行うことで、支払い状況に異常があった際には正しく検知することができるため、特殊詐欺や過払いへの防止につなげることができます。

認知症の早期発見

口座見守りサービスのAi分析機能は、詐欺の防止だけではなく、認知症への早期発見にも効果を発揮します。

搭載されたAiが、認知症に関わる細かな傾向変化をとらえ、その兆候の発見と通知を行ってくれるため、認知症分野における早期発見と迅速なケアに役立てることができます。

Aiが詐欺等を早期発見するメリット

では、銀行におけるAiを活用した詐欺事件の早期発見には、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。

迅速な対応が実現できる

詐欺事件は、被害者本人の認知力低下の問題や、周囲に相談できる相手がいないなどの問題から、発覚までにはある程度の時間がかかってしまうものです。

被害の発覚が遅れた結果、犯人の特定と追跡が困難となり、最終的には泣き寝入りをしてしまうというケースも珍しくありません。

Aiを活用した詐欺防止システムを導入することによって、詐欺被害への迅速な対応が可能となり、被害を最小限に抑えることができます。

銀行価値の上昇に貢献する

Aiを活用した詐欺対策など、新しい技術の導入によるセキュリティの向上をアピールすることで、銀行としての価値そのものの上昇も見込むことができます。

特に、高齢者への特殊詐欺事件が増加の一途を辿っている現状においては、そうした防犯対策への積極的な投資を行うことで、新規顧客の獲得や口座開設数の増加などが期待できるかもしれません。

新たな詐欺事件への防止につながる

さまざまなパターンの詐欺事件をAiが分析することによって、それらの事件に関連した巨大なデータベースを構築することも可能です。

新たな詐欺事件が発生した場合にも、蓄積した膨大な事件簿を参照することで、犯人の行動や手法などを予測することができるため、新たな犯罪に対しても絶大な効果が期待できるでしょう。

詐欺等早期発見にAiを利用するための課題

詐欺の防止や早期発見を行ううえで、Aiの活用は大きなメリットをもたらしますが、普及にあたっては以下のような課題が存在することも事実です。

ここからは、主に3つのポイントに絞って、詐欺防止策としてのAi利用の課題について、解説を進めていきます。

データの収集が必要

まず1つ目としては、運用にあたってはデータの収集が必要であるという点です。

Aiは、数ある膨大なデータの学習と分析を通して、それらの特徴や共通項を見つけ出すことを得意としているわけですが、データの収集が不足していたり、そもそも学習対象のデータが存在しなかったりする場合には、十分な活躍は期待できないと言えるでしょう。

新たな詐欺手法が登場した場合には、まずはその詐欺の事例を複数回学習させなければならないため、今後は「より少ないデータ」から「高精度な回答」が得られるような革新的な技術が必要になるかもしれません。

情報漏洩のリスク

2つ目は、セキュリティ上の欠陥や情報漏洩のリスクがあるという点です。

これはデジタルデータ全般においても言えることですが、Aiも同様に、対象のデータをデジタル経由でクラウドやサーバーへ保存するため、悪意ある第三者からのサイバーテロやハッキング行為などから、情報が外部へ漏洩してしまうリスクがあります。

自分の預金残高や決済の内容が外部へ漏れてしまうと、最悪の場合は「Aiツールを利用したことで詐欺被害に遭遇してしまった」ということも考えられるため、顧客データの管理には万全なセキュリティ対策が必要と言えるでしょう。

アナログとの共存

そして3つ目は、電話などのアナログデバイスとどのように共存していくかという点です。

Aiを活用した詐欺防止システムの多くは、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを用いる場合がほとんどですが、高齢者への詐欺防止の観点を考慮すると、当然アナログへの対応も考えなければなりません。

電話や声かけなどのアナログな手法を用いて注意喚起を促さなければならないシーンもあるため、デジタルなツールに依存するのではなく、双方のメリットとデメリットを理解したうえで適切に使い分けることが重要です。

まとめ

今回は、銀行における詐欺の早期発見や、詐欺事件へのAi活用のメリットなどについてご紹介いたしました。

いつ誰が遭遇するかわからない詐欺被害ですが、こうしたサービスを日頃から利用しておくことで、いざというときにも冷静に対処することができますよね。

今回は福岡銀行の導入事例をご紹介いたしましたが、ほかの銀行においても同様のサービスが多数展開されていますので、気になる方は一度、利用している銀行が対応しているかどうかチェックしてみてはいかがでしょうか。