Aiの高画質化技術で広がるビジネスの幅

携帯電話やデジカメの普及に伴い、お手軽に写真撮影ができるようになりました。しかし撮った写真をアップにすると、画像がザラついたりノイズが出たり、画質が低下してしまうこともありますよね。

ビジネスシーンでも拡大してぼやけた画像では訴求力が低くなってしまいます。

そんな中近年ではAIを活用して、拡大しても写真を補正してくれる高画質化ツールが登場しているのをご存知でしょうか。写真のザラつきやノイズを除去した上に、AIがぼやけた画質を補正してくれます。今回はAIを使ったおすすめの高画質化ツールを紹介し、ビジネスシーンでの活用方法をご案内いたします。 

AIの高画質化ツール

AIの普及と発達により、低画質の写真を高画質に変換・補正してくれるツールが登場し、注目を集めています。携帯電話の登場によって素人でも簡単に写真撮影が行えるようになりました。しかし同時に画質が荒く、人の顔や表情がはっきり確認できないケースがあったかと思われます。

時代はガラケーからスマホへと移り変わり、画素数は飛躍的に進化しています。その反面、昔のスマホで撮影した画像を最新機種に移行すると、画質が低下しているケースもありますよね。そんな場合にもAIの高画質化ツールが補正してくれます。簡単に綺麗な写真を再現してくれるAI高画質化ツール。その中でも、とくにおすすめのツールを紹介します。

Photo Refiner

「Photo Refiner」は、写真やイラストといった画像を高画質化してくれるAIツールです。従来の画像を引き伸ばし、中間を補間する技術とは異なります。最先端のAI技術(Deep Learning)を用いて、低解像度画像から推測される高解像度画像をAIが学習。今までの高画質ツールでは不可能だった品質で、高解像度化を行ってくれます。これは世界最先端・最高精度の技術であり、特許の申請も行われているようですね。

特大サイズの画像・写真も高速で高画質化でき、ピクセル数は縦・横を4倍に拡大して、16倍に画質を上げることが可能です。今まで難しいとされていた10,000pixelサイズ以上の特大画像も、高速かつスムーズに生成できるでしょう。印刷時のdpi不足、ウェブ素材の解像度不足などを解消し、広告素材としても演出の幅が広がります。ビジネスから日常まで、さまざまなシーンで利用できるでしょう。

利用方法は以下の簡単なステップで完了します。

①ファイルをアップロードする

高画質化したい画像をファイル選択領域にアップロードする。

②画像の種類とノイズを選択する

画像の種類とノイズの量を選択する。

③10秒ほど待つ

10秒ほどで高画質化された画像が生成される。問題なければダウンロードして、高画質化された画像を手に入れる。

waifu2x

「waifu2x」とは、無料で使える画像の高画質化ツールです。もともとはイラスト向けの高画質化ツールでしたが、現在は写真もサポートしています。フリーソフトなので利用は無料で、AI技術により画像のノイズやジャギーを最小限に抑え、画質を綺麗に補正してくれるでしょう。

 

スマホでお手軽に高品質化を行える「アプリ版waifu2」もリリースされています。さらに画像の一括処理や、一括ダウンロードも行える最新の「waifu2-multi」も登場しています。こちらはUIも現代風に整えられているので使いやすく、細かい設定も行えますよ。waifu2-multiも無料で使えますが、waifu2xに比べると処理時間が長めになっています。有料版は待機時間などの制限が開放されていますが、まずはフリーソフトのwaifu2xで感覚を試してみるといいでしょう。

waifu2xの使い方は簡単で、以下のステップで完了します。

①拡大したい画像を選択する。

②画像の種類、スタイルを選択する。(イラスト、写真など)

③ノイズ除去レベルを選択し、拡大の倍率を選択する。

Remini

「Remini」はAI技術により、ぼやけた画像も綺麗に補正してくれるアプリです。基本的に無料で使用でき、iOS・Androidでそれぞれリリースされています。トライアルとして1日3枚まで画像加工できますが、トライアル版ではそれ以上の加工はできないので注意してください。Reminiの画像補正精度は高く、ぼやけた文字も綺麗にくっきり補正してくれます。複数の人物が写っている画像も補正可能で、集合写真など低解像度で粗く感じる場合でも、Reminiならあっと言う間に綺麗な写真へと復元してくれるでしょう。

AIが画像の粗さを補正してくれるので、ある程度のぼかしが入った画像も綺麗に除去されます。ただし完全に元通りの人物を復元できるわけではなく、実際の元画像と比べると顔の印象が変わってくるので注意が必要です。また人物以外の写真でも、景色や建物のグラデーションがなめらかに補正されますよ。

Reminiの使い方は以下の通りです。

①アプリをダウンロードして起動する。

②アプリのホーム画面にある「Enhance」をタップする。

③スマホに保存してある画像の中から、高画質化したい写真を洗濯する。

④加工を開始する。処理時間は2~3時間程度かかる。

AIによる高画質化でできること

AIを用いた高画質化はビジネスシーンでも活用でき、さまざまな効果が期待できます。どのように活用できるのか、一つずつ見ていきましょう。

宣伝広告のコンテンツの幅が広がる

AI高画質化ツールを活用すれば、広告素材として演出の幅が広がります。たとえば駅の構内や街中に貼り出す広告では、特大サイズの画像が必要になることもありますよね。

しかし従来の方法で画像を拡大印刷する場合、どうしても元の画像に比べると画質が低下しがちでした。粗い画像では広告としての訴求力も下がってしまい、演出の幅が狭まってしまいます。しかしAI高画質化ツールなら画像を拡大しても綺麗に補正されるので、従来よりも遥かに高い訴求力を持つ広告の制作が可能となるでしょう。

AIのディープラーニングへ活用

近年では「ディープラーニング」というワードをよく耳にするようになりました。これは人間が自然に行っているタスクをコンピューターに学習させる手法の一つです。視覚、聴覚、触覚といった人間の知覚システムに関連しており、「知覚AI」とも呼ばれています。

しかしディープラーニングを製品に応用するとなると、適用した製品の使用状況に応じて結果が異なるのをご存知でしょうか。同じ顔認証でも、スマホの画像を的確な角度で移せば認識してくれます。しかし公共スペースの監視カメラでは、顔が部分的に隠れているので、大勢を判別するには精度が十分とは言えません。

ディープラーニングの改善には、高品質なデータが必要だというのが一般的な見解です。そこで役に立つのがAI高画質化ツールです。過去の画像を学習させる際にも高画質化させておけば精度が上がり、より確実で高品質なサービスが提供できるようになるでしょう。

防犯、セキュリティに応用

高画質化AIを組み込んだ商品開発を行うことによって、防犯・セキュリティにも応用が可能となります。たとえば車載カメラ、監視カメラなどに高画質化エンジンを搭載すれば、カメラ画像の画質改善に繋がります。防犯カメラは検知能力が向上し、車載カメラなら他の車両や歩行者を認識する精度が上がるでしょう。

万が一犯罪などのトラブルが発生した時にも、カメラに映った証拠映像を高画質化することで犯人特定の可能性が高まります。さらにインフラ設備の点検や異常検知といった分野でも、高画質化ツール応用による活用範囲拡大が期待されています。

まとめ

今回はおすすめのAI高画質化ツールと、ビジネスシーンでの活用方法についてお伝えしました。AI技術はあらゆる分野で発達しており、撮影した写真の高画質化といった領域にも及んでいます。

ビジネスシーンでも広告制作や防犯・セキュリティ対策など、活用できる範囲は多数に渡り想定されています。ディープラーニングと組み合わせれば、今まで以上に高品質な製品・サービス提供も実現できるでしょう。