Aiを活用すると1日で家が建てられる!?3DプリンターとAiの意外な関係性とは

Aiが様々な産業に革命を起こしていくといったことは、これまでに公開している記事でもご紹介しておりますが、昨今、Ai技術を取り入れた3Dプリンターが登場してきていることをご存知でしたでしょうか?
Ai、3D産業共に時代の最先端を行く技術であり、双方がタッグを組んで作られたシステムは、今後3Dプリンターにも大きな革新をもたらす技術として成長していく事が予想されます。
そこで今回は建築業界に焦点をあて、3Dプリンター業界とAiの関係性、そして今後の可能性について言及してまいります。
目次
3Dプリンターとは
そもそも、3Dプリンターとは、一般的なプリンターとは異なりその名の通り立体的なモノを作る(印刷する)ことができるプリンターの事です。
これまでにも、簡単な模型を作る、不足部品を補うなどの際に3Dプリンターは活用されてきました。
3Dプリンターでモノを作る工程としては、
①3Dデータを入手、造形サイズの設定など
②3Dプリンターでプリンティング
③仕上げ加工
となり、溶かした樹脂材等を一層ずつ積層していくことで高さを作り、最終的な完成形ではきちんとした立体物として仕上げる事ができます。
3DプリンターにおけるAiの活用
Aiは、人間の知的活動である学習、認識・理解、予測・推論、計画・最適化など、従来であれば人間が時間を割いて行っていた作業をPCで実現するという事を意味します。
昨今、建築業界においても、従来人手が必要であった、設計、建築の分野では、Aiや3Dプリンターは便利なツールとして期待が高まっているところです。
3DプリンターにAiを搭載するとはどういうことか
3Dプリンターがモノをつくる工程として、先ほどご紹介した工程が上げられます。従来の3Dプリンターの技術としては、
①3Dデータを入手、造形サイズの設定など
の工程と、
③仕上げ加工
の工程は、いわゆる人間が行う工程であり、機械にお任せできるのは
②3Dプリンターでプリンティング
の工程のみでした。
しかし、今後3DプリンターにAiが搭載されていくことで、効果的な設計や構築、あらゆるリスクを予想してモノを制作することができるようになるわけです。
そうすることで、これまで、小物の複製や、何かの模型までにとどまっていた3Dプリンターの使い道が、建築物などの造形にも利活用の幅を広げていく可能性が出てきます。
Aiを搭載した3Dプリンターが建築業界に与えるメリットとは
Aiを3Dプリンターに活用することで得られるメリットは下記3点があげられます。
①労働力不足の解消
②人件費削減
③生産性効率の大幅UP
①労働力不足の解消
現在日本では、深刻な労働力不足が社会問題となっており、2065年になる頃には、労働人口は約4000万人弱まで減少すると予測されています。特に、技術職である建築業界における建築、設計の分野では、さらなる労働力不足や跡継ぎ問題が予想されます。
しかし、今まで人間の手によって行われてきた定形作業を、AIによって自動実行する事が実用化されており、人間が行ってきた業務の半分近くはAiに置き換えられる時代になっているのです。
このことから、建築業界においても、設計、建築の工程をAiに任せ、そのデータを3Dプリンターでプリンティングすることができるようになることで、労働力不足の解消を期待することができます。
②人件費削減
AIの実用化が進歩していくと人を雇用する概念が薄くなっていきます。ですので、建築業界やAIシステムの搭載によって大幅な人件費削減に繋がり、雇用による人材リスクを低減する事ができます。
③生産性効率の大幅UP
建築業界ではすでに3DプリンターやAiの活用が広がってきています。設計ではAiを使って自動設計、機材調達・建設工事ではプラントを小型モジュール化するほか、3Dプリンターによる施工などで大幅に生産性が上がることが期待されています。
Aiで設計、3Dプリンターで施工された建築物とは
日本ではまだあまりなじみのない3Dプリンターで施工された3Dプリンター住宅ですが、世界各地では、3Dプリンター住宅の建築開発が進んでいます。
中国ではすでに実用化されている3Dプリンター住宅
特に、人口の多い中国ではWinsunという3Dプリンター住宅専用の会社があるほどです。Winsunは、3Dプリンター住宅で最大5階建てのマンションを作成したことがあり、組み立てを5日から6日、内装に一か月を要して完成させました。
また、一戸建ての住宅であれば、専用施設の中で3Dプリンタ印刷された住宅パーツを組み合わせて、1日に10棟の住宅を建てることにも成功しています。
費用は平均しておよそ42万円から、住宅の『印刷』はだいたい24時間ほどで完成するのだそうで、驚くほど早く、格安なため、ホームレス問題や、貧困問題などの社会問題の解決にも一役買うとして注目されているといいます。
曲線や大きさも自由な建築用3Dプリンタが、どこへでも運搬できるのであれば、建設困難な地域にも住宅を作ることが可能です。
日本における3Dプリンター住宅の構想
世界でこのような3Dプリンター住宅が次々と建っている中、日本が遅れをとっている理由の1つとして、『地震大国』であるという点が上げられます。
日本は地震大国故に建築基準法が世界NO1と言われているほど厳しく、3Dプリンター住宅を建築することにものすごく否定的です。しかし、ここにAiによる綿密な設計や地震や自然災害などあらゆるリスクを想定した構築を行うことで、それらの問題を解決することができるかもしれません。
実際にプラント建設の大手、日揮は、AIやロボットなどを活用した日揮グループの新たなIT戦略『ITグランドプラン2030』を2018年12月に発表しました。
内容としては設計ではAIを使って自動設計、機材調達・建設工事ではプラントを小型モジュール化するほか、ロボットによる工場化や無人化を目指すというもので、これにより、大幅な生産性向上が期待されています。
https://www.jgc.com/jp/news/2018/20181218.html
まとめ
このように、AI技術が発達することは、これまで別々の分野だったもの同士が手を組むことで、生活がより便利になるといっても過言ではありません。
例えば、今後こうした3Dプリンターなどの技術が日本でも積極的に取り入れられるようになった際は、自然災害時に避難場所をいち早く用意したり、はたまた住宅の一部が破損したといった場合に素早く修繕したりすることができるようになるかもしれません。
現に世界各国では貧困地域に3Dプリンターで住宅を建築し、住宅を提供するなどの施策も行っているそうです。
Aiと3Dプリンターの双方のテクノロジーは、今後建築の分野にも大きな影響を与えるといっても過言ではないでしょう。