学校にAi!?コロナ禍で注目されるGIGAスクール構想について詳しく解説

昨今デジタル庁が設置されるなど日本の政策にも徐々にAi(人工知能)などのデジタル化が急速に加速しています。教育界においても政策の一つとして、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」が注目されています。中でも東京都渋谷区では、平成29年9月から「渋谷区モデル」を実施するなどすでに本格的な取り組みが開始されてきました。

そこで今回は、コロナ禍において更に注目されることとなった「GIGAスクール構想」とは一体どのようなものなのか、そしてどのようなメリットがあるのか等詳しく解説していきます。

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コロナ禍で揺れる教育現場の実情 

2020年はコロナ騒動に大きく揺れた1年の中、学びの場をどう守っていくと良いのか、大きな課題が残されました。

というのも、夏休みの短縮や時間割変更、さらには分散登校や毎日の消毒作業に追われ、何もかもが手探りの状態で思うように教育事態が進めることが困難となり、さらにはソーシャルディスタンスを守る中でのコミュニケーションの難しさも重要な課題となったのです。

 

この実情を打破すべく対策として、政府が描くAiを活用した学校DXが行われようとしています。

Aiを活用した政府が描く学校DXとは

概要でも触れたように教育現場においても、Aiを取り入れこれまでとは全く違った人材育成が始まろうとしていますが、「GIGAスクール構想」の解説の前に、今後政府が描く学校DXについて少しみていきます。様々な取り組みがある中で、ポイントとなる2点をあげてみました。

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・Aiで「個別最適化された学び」の実現

Aiで「個別最適化された学び」とは、文部科学省が目指す次世代の学校・教育現場として掲げた教育のスタイルです。生徒一人一人の能力や適性に応じてスタディ・ログ等を蓄し本人の学習に役立てたり、教員が個々の生徒の学習ログを参照できるように学習支援していきます。

・Aiにない「想定外や板挟みと向き合い調整する力」

大臣懇談会の報告書では、Aiにない「想定外や板挟みと向き合い調整する力」が定義としてあげられています。

どういうことかというと、Aiなどの最先端技術が教育にも介入し始める中、その一方で、ますます人間の強みが見直されていくこととなり、現実世界を理解し意味づけできる感性・理論観が求められるようになるということです。

こうした力を身に着けるためにも、教育現場において実体験や他社との対話・協働など多様な学習活動の機会を提供する役割やツールが必須となってきています。

次項からは、本題の政府が描く学校DXとしてさらに具体的な取り組みや、そしてコロナ禍においても有効とされているGIGAスクール構想」について取り上げていきます。

 

GIGAスクール構想で変わるAi時代の教育育成

Aiが発達する「Society(ソサエティー) 5.0時代」に生きる子どもたちが生き抜くための力として、GIGAスクール構想」は重要な教育育成法として認識されています。

・GIGAスクール構想とは

GIGAスクール構想とは、政府が2020年4月7日に閣議決定した緊急経済対策において、2023年までの達成を文科省が予定していた「1人1台端末支給」の実現が前倒しされ、2021年3月までに実現されることになったものです。

 

そして、このICT環境整備のための予算は2,292億円にもおよび、具体的には先述した「1人1台端末支給」と「高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する」ことがあげられています。

引用元:【資料2-2】GIGAスクール構想による1人1台端末環境の実現等について (mext.go.jp)

・「1人1台端末支給」が前倒しとなった背景

1人1台の端末支給が前倒しとなった背景には、「デジタル社会に適応した教育への対応が遅れてしまったこと」「教員主体から児童・生徒への学びの転換」といった根本的構造改革から、一つに授業のオンライン化という目的があったからです。

これは、2020年に新型コロナで一斉に休校となった際に見えてきた課題として、新たに子どもたちが登校できなくなる事態が発生した場合に、オンライン授業の体制を整えておくことが必要であるとの意見が政治家の中で強まりました。

二つ目に、ICT端末を活用することで子どもたちが個々に学べるようになるといった意見も多く、例えばクラス全員で足並みを揃えて学ぶより、理解の早い子はどんどん先に進み、そうでない子は自分のペースでじっくり学ぶといった考えから前倒しになったとされています。

「Society(ソサエティー) 5.0時代」に生きる子どもたちが誰1人として時代に取り残されることなく、社会を生き抜く力を育み子どもたちの可能性を広げられるように、と政府からの強いメッセージが込められた政策でもあります。

・Aiを活用したGIGAスクール構想のメリット

ICTや1人1台の環境によってメリットを享受するのは生徒だけではなく、教育側も恩恵を受けられることが期待できます。

具体的なメリットとしては、

 

・生徒の授業におけるつまずきや課題などが確認できるようになる

・教育指導の質を向上することができる

・クラウドを活用することで、子どもによる紛失や災害時の備えになる

・教育側の授業準備や成績処理等の負担軽減

・教員の働き方改革の実現にも繋がる

 

以上の5つがあげられますが、ICT環境の整備は手段であり目的ではないということです。子どもたちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性や持続可能な社会の創り手として、予測不可能な未来社会を自立的に生き、そして社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成していくことが必要とされています。

Ai先生はオンライン授業でどのように活躍するか

Ai教育はコロナ禍において今後も必須

2021年も同様に新年早々感染拡大が急増し、1都3県においては1月8日から2月7日まで緊急事態宣言を発動する事態となりました。今回は、学校での感染拡大は部活動以外は大きく出ていないとし、学校の休校要請はないものの、いつまた要請が出てもおかしくない事態だということは、国民が感じていることでしょう。

一方で、「GIGAスクール構想」にいち早く取り組んだ渋谷区に限らず、東京都のインターナショナルスクールでは、すでに幼稚園の頃から1人1台のパソコンやタブレットが支給されオンライン上で課題や宿題を提出するなど行ってきたため、どのような環境であっても十分な教育が受けられています。

いつまたリモート授業が再開されるか分からない状況の中においては、先述したGIGAスクール構想のメリットも踏まえ、Ai教育そして更にIOTの環境整備は絶対的必須条件となることは明確でしょう。

まとめ

文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」について、解説してまいりました。

2020年に引き続き、2021年もコロナ感染拡大が爆発的に広がり収束がより不透明とされつつある中、「GIGAスクール構想」が教育界において突破口となるのか注目されています。

今後、1人1台の端末支給が2021年3月までに実現されるわけですが、誰一人取り残すことのない個別最適化された学びの実現・そして人間性の向上も大切な学びの一つとして重要になってきます。2021年はこうした更なる教育の改革が行われ、「Society(ソサエティー) 5.0時代」を生きる子どもたちの教育のスタンダードが確立されていくことでしょう。

 

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