Aiは自動運転の実現においてどのように活躍する?

Aiは現在最も注目されている最新テクノロジーといっても過言ではなく、様々な業界での活用が期待されているところです。実際に、新型コロナウイルスのワクチン開発やハッキング詐欺の防止、オフィス業務の効率化などでの利用が広がってきています。
今までAiなどのテクノロジ―とは全く無縁であったといえるような業界にまで利活用がなされ始めてきているのです。それは、自動車も例外ではありません。『自動運転技術』と聞きますと、意外にも遠い未来のことを思い浮かべがちの方も多いかもしれませんが、実は進化したAiなどの最新テクノロジーを駆使することで、意外にもその未来は早くやってくるかもしれないのです。
そこで本記事では、Aiと自動運転の関係から、Aiが自動運転でどのように活用され、有効的に活用するために残された課題はどのようなことがあげられるのかという点について解説していきたいと思います。
目次
自動運転とは
そもそも自動運転とは何かといいますと、簡単に言えば、自動車を人間が操作せずに動かすことができる技術のことです。この自動運転にはいくつかのランクがあり、それぞれ仕組み等も変わってきますので、まずは自動運転に関する基礎知識から解説していきたいと思います。
自動運転のランク
自動運転技術のレベルわけは下記の通りです。
レベル | 概要 |
レベル0運転自動化なし | 運転者がすべての運転操作を行なう |
レベル1運転支援 | システムがハンドル操作し、運転手を支援する |
レベル2部分運転自動化 | システムが加速あるいはハンドル操作し、運転手を支援する |
レベル3条件付運転自動化 | 高速道路など限定的に、システムが運転を操作する。運転者はシステムへの応答が必要。 |
レベル4高度運転自動化 | 無人でも、高速道路など限定的にシステムが運転を操作する |
レベル5完全運転自動化 | 無人で、システムがすべての運転操作を行なう |
現在、現在日本で発売されている自動車はレベル2までの自動車であり、レベル2までの自動車は特に『運転支援車』と呼ばれています。運転支援車は、ドライバーの不注意を防いだり、危険を察知して警告するなど、交通事故を未然に防ぐように工夫された自動車のことを指します。
例えば前の車との距離や歩行者を感知して、衝突する危険がある場合は音や画面で表示をしたり、ドライバーが対応出来なければ自動でブレーキをかけるシステム、車線維持をしてくれるシステムが搭載された自動車などです。
また高速道路の走行中など、一定の速度で比較的長い距離を走行する場合、前方の車に追随してドライバーがアクセルを踏まなくても、一定の距離とスピードを保ったまま走行してくれる機能が搭載されておりますが、運転の責任はすべてドライバーにあり、常にハンドルを握っておかなければなりません。
自動運転の仕組み
自動運転技術の仕組みは下記のようになります。
①認知
②判断
③制御
通常人間が自動車を運転するときにも、認知⇒判断⇒操作のプロセスで操作をしているかと思いますが、自動運転システムでは、あらゆる危険を察知してそれらを制御することで安全に走行することができるようになるわけです。
尤も、自動運転システムにおいて、重要となるのが認知の部分です。これは人間が操作をするときも同様ですが、障害物や、走行可能なルートを認知しなければ安全に走行することはできません。では、自動運システムにおいて、人間に変わって危険等を認知してくれるのはいったい誰なのか、それがまさに『Ai』であるということです。
Aiと自動運転の関係性や、自動運転実現におけるAiの重要性について次項にて解説いたします。
Aiと自動運転の関係
Aiと自動運転は密接関係にあるとされているわけですが、実際どのように利用されるのか、なぜ必要なのかという点については詳しくわからないというて方もいらっしゃるでしょう。
ここからはAiと自動運転の関係について解説していきます。
Aiは自動運転でどのように利用されるのか
Aiは自動運転においてどのように活用されるのかといいますと、主に先ほどの解説でいう『認知』の部分です。危険物や障害物などを認知して、安全な場所を走行するには、Aiの認知の技術を用いる必要があります。
また、駐車している2台の車の間からボールが出てきた時、人間の場合は、『次に子供が出てくるかもしれない』と予測しますよね。そうして、多くのドライバーが止まったり、速度を落としたりすることでしょう。このような、危険の認知から予測、判断、制御までのすべての工程においてAiが行うことができるようになるというわけです。
Aiはなぜ自動運転で必要なのか
Aiの力をなくして完全なる自動運転車の実現できないと言っても過言ではありません。Aiはいずれ人に代わって働いたり、人に代わって何かを考えたりすることができるようになるとされております。運転では、常に周りを見て、常に危険がないか探しながら判断をし続けなければなりません。
その判断を怠ったときに、事故が起こってしまうわけですよね。
そうしたヒューマンエラーを防ぐため、人間に代わって自動で運転できるようになるためにはAiの技術が必須になるということです。
Aiを自動運転に活用するための課題
とはいえ、自動運転にAiを活用するには未だいくつかの課題が残っています。
事故の場合の責任の所在
Aiによる自動運転が実現することになりますと、基本的に、運転をするのはシステム、人間は簡単に言えばタクシーのお客のように座っているだけという形になります。
そのような場合で事故が起きたとき、責任の所在はどこにあるのか、また保険などはどのようになるのかというところを決めていかなければなりません。交通ルールなども変わってくるでしょう。
ルール変更に伴い、法律が変わる可能性もあるので、そうした責任に関する事項を整備しなければなりません。
ハッキング対策
Aiの活用で自動車のIT化が進めば、インターネットにつながったパソコンと同様に、自動運転車もサイバー攻撃の標的となる恐れがあり、故意に事故が引き起こされる懸念もあります。また無人の完全自動運転車は、ハッキングによる車そのものの盗難などへの対策を行う必要もあるでしょう。
インフラ整備
また、自動車にAiなどのIT技術を搭載するということは、通行する道路上にもアンテナ等を張り巡らせる必要が出てくるかもしれません。また、人間がこれまでのように、1人一台の車を持つようになるのか、例えばサブスク型で街を走っている車に乗り込むシステムになるのか、様々なインフラ整備も課題として残っています。
まとめ
今も徐々に自動運転技術のレベルは上がってきており、だんだんとAiの活用も視野に入れられ始めているところですが、何せインフラ整備や、その他ルールの整備などが整っておらず、自動運転化が実現するのは、もう少し先の話に思うかもしれません。
しかし、国的にも現在Aiやその他IT技術などの最新テクノロジーを利用することで、人とAiが共存し、協力し、便利な世の中に変革していこうという動きになっています。一説では2030年には完全なる自動運転化が実現するともいわれているところです。
いずれにせよ、自動運転化にはAiが必須であり、Aiなくして自動運転は実現しないということです。今後もAiや自動運転技術の進歩から目が離せません。