【建設×Ai】建設業におけるAi活用事例5選!

ヒトや企業の抱えている課題をITの力で解決させる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という考え方が注目を集めています。

さまざまな業界分野において、Ai技術を活用した生産性の向上や、業務効率の改善に向けた取り組みが必要不可欠となりつつある昨今。

今回は、建設業におけるIT化とIT技術の具体的な導入事例などについて、わかりやすく解説を進めていきます。

建設テックとは

「建設テック」という言葉をご存知でしょうか。

建設テックとは、「建設(Constraction)」と「Technology(技術)」とを掛け合わせた造語のことで、一般的には建設建築分野全体におけるIT化を指すものです。

建設業におけるAi活用場面について

Aiの得意分野の一つとして「単純作業の効率化」というものが挙げられます。

Aiは定型的な動作やパターン化された作業を、高速かつ高精度に処理することができるため、人間よりもより高いパフォーマンスで作業の実行が可能。。

建設業におけるAi活用の代表例としては、竹中工務店が開発した「3つのAI」が挙げられます。これは、リサーチAi、構造計画Ai、部材建設Aiという3種類のAiを、設計段階に応じて使い分けることによって、構造設計における単純作業を約7割ほど削減することができます。

このようなAi活用の取り組みは、ほかの企業においても積極的に開始され始めているため、Aiを駆使した業務効率化は今後ますます重要なものとなるでしょう。

建設業におけるAi活用のメリット

では、Aiの技術を建設業に活用することで、一体どのようなメリットが得られるのでしょうか。

人手不足の解消

まず1つ目のメリットとしては、「人手不足の解消」という点が挙げられるでしょう。

特に、少子高齢化が加速している現代日本においては、生産労働人口の確保は非常に重要な問題であり、機械的な単純作業をAiが担うことで、労働力や人員不足の解消を見込むことができます。

業務効率の改善

2つ目のメリットとしては、「業務効率の改善」という点。

Aiの得意分野の一つに、「深層学習」や「機械学習」といったものが存在しますが、これは対象のデータを隅から隅まで分析することによって、人間が気付かなかったようなデータの特徴などを見つけ出すことができます。

作業内容や業務フローをAi学習させることで、より効率的な業務フローの発見や、効率的な運用方法を探し出すことができるかもしれません。

ユーザー体験の向上

3つ目のメリットは、ユーザー体験の向上という点。

たとえば、Aiを搭載した「チャットボットサービス(チャット形式での自動応答システム)」を導入すれば24時間365日の自動対応が可能となり、Aiカメラを活用すれば建物のセキュリティ強化や物件運営の自動化ができるようになります。

Ai技術を活用することで、業務そのものの効率化だけではなく、ユーザーにとっての利便性の向上などが期待できるでしょう。

建設業におけるAi活用のデメリット

便利なAi技術ですが、少なからずデメリットというものもある程度は存在します。以下でデメリットを確認していきましょう。

業務効率の悪化を招く恐れがある

Aiを導入することで、かえって業務効率の低下や生産性の悪化を招く恐れがあるため、こちらは注意が必要です。

万能なようにも思えるAi技術ですが、作業の内容や活用方法に応じては、当然のことながら得手不得手というものが存在します。

まずは導入の前に、全体の作業工程をしっかりと把握し、どの部分がネックとなっているのか、どの工程を効率化させたいのかなど、入念な運用計画を練る必要があるでしょう。

一定の学習データが必要になる

Aiは人間が行った作業などの具体的なデータを学習することで、初めてその真価を発揮するものとなるため、対象となる学習データが存在しなければ意味がありません。

導入することで必ず効率化が実現できるといったものではないため、まずはAiの仕組みや特徴などの基本的な部分は、しっかりと抑えておきましょう。

人間の仕事を奪う可能性がある

業務の効率化や人手不足の解消に効果を発揮するAiテクノロジーですが、それは言い換えると、人間の仕事を奪う可能性があるということにほかなりません。

これは建設業に限った話ではありませんが、Ai技術の革新が進むことで、人間が行っている作業の大半がAiによって代替可能となった場合、私たちの生活が脅かされる危険性があります。

技術的な活用方法だけではなく、運用にあたっての法整備やモラル的な側面での理解など、テクノロジーとヒトが共存していくうえで必要なリテラシーの向上が必要になるでしょう。

建設業でのAi活用事例5選!

ここからは、建設業におけるAiの活用事例を5つほどご紹介していきます。

現場作業の効率化(鹿島建設)

鹿島建設では、Aiを搭載したロボットの活用により、単純な繰り返し作業や負担の大きい作業を自動化させることに成功しています。

ロボット技術を導入したことで、これまで人間では不可能だった下方からの上向溶接が可能となったため、溶接の品質面における向上と高速化が実現されました。

今後はAIを活用した溶接ロボットのオペレーター育成・訓練を実践し、全体的な施工システムの構築を図っていくそうです。

建設支援ロボットの運用(清水建設)

清水建設では、Aiを搭載した建設支援ロボット「シミズ・スマート・サイト」の運用によって、人間にとって負荷の大きい作業や繰り返し作業などを自動化させることに成功しました。

清水建設が長年に渡って培ってきた建設技術をAiに深層学習させることによって、最先端の科学技術に結晶させたは、建物の3Dモデリング技術(=BIM)とAiテクノロジーとを融合させた自律型の建設支援ロボットです。

Aiが自分で判断し、自分で作業を行ってくれるという自律型の建設支援ロボットになります。

建設機械の自動制御(大成建設)

大成建設では、建設現場における重機類の自律走行をサポートする制御システムの開発を手掛けています。

建設機械に設置された各種センサーから情報を収集し、現場作業員の作業情報と照合させることによって、ヒトや障害物の検知ストップ機能を実現しました。

作業員との接触防止や検知システムの導入によって、より安全性の高い作業現場の構築に大きな力を発揮してくれます。

リノベーションプランの提案(アイランドスケープ)

アイランドスケープでは、Aiを活用した住宅リノベーションプランの見積りプラットフォーム「ORE(オープン・リノベーション・エンジン)」の開発と運用を手掛けています。

専用サイトからリフォームの工事内容や外観スタイルなどの希望を入力することで、システムに搭載されたAiが、選択された条件に沿って過去案件を分析します。

分析を通してユーザーに最適なリノベーションプランの提案と見積り書の作成を自動で行ってくれるため、顧客満足度やユーザー利便性の向上が期待されています。

24時間365日のチャット対応サービス(エスケーホーム)

エスケーホームが提供するチャットボットシステムは、マンション管理や住宅運用において大きな効果を発揮するでしょう。

チャット形式の専用画面から問い合わせ内容を入力することで、搭載されたAiが速やかに自動回答を行います。

これまでは受付スタッフがメールや電話でのリアルタイム回答を行ってきましたが、チャットボットシステムを導入することによって、24時間365日の自動応答体制の構築と人件費などのコストカットを実現することが可能です。

まとめ

人手不足の問題や労働環境の問題など、多くの課題を抱えている企業にとって、Aiテクノロジーの活用は魅力的な選択肢と言えます。

昨今では、Aiの技術革新によって今まで機械だけでは不可能とされてきた複雑な作業の実行などが続々と可能となっています。

今回ご紹介した具体的な事例なども含めて、業務全体に課題感を感じている場合にはAiサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。