Ai×IoTでさらに生産性UP?Ai×IoTが企業にもたらすメリット・デメリット

近年、インターネット通信環境が整ってきたこともあり、モノがインターネットにつながるIoT製品が様々な場所で利用されるようになってきました。
それは企業や飲食店などに限らず、一般家庭で利用できる家電製品などでも利用されるなど、IoT製品は多くの場面で活躍している注目の製品です。
と、さらに近年ではこうしたIoTに加えて、Aiを活用した、利便性や生産性をさらにアップさせるシステムを導入する企業が増えています。Ai×IoTを企業に取り入れることで、企業はいったいどのようなメリットがあるのでしょうか。
目次
そもそもIoTとは
Ai×IoTについてご説明する前に、まずIoTとは何かという点について解説します。
IoTとは簡単に言うと『モノのインターネット化』、つまりはこれまでインターネットに接続されていなかった、もしくはインターネットとは無縁と思われていたモノがインターネットとつながることで、インターネット上でモノを管理したり、情報を整理したりすることができるわけです。
極端な話、ベッドがIoT化されると、寝ている人の心拍数や呼吸の状況など、健康状態を常に把握したり、データ化された睡眠時の状況を見て自ら睡眠の質が改善できたりします。わかりやすい例として、これまでインターネットとつながることをなかなか予想しえなかった『ベッド』をご紹介しましたが、実際にこうしたIoTベッドは医療現場や介護施設などでも取り入れられているのだそうです。
要するに、IoTはモノがインターネットに接続されること、そしてインターネット上で外界やモノに係る情報をセンサーで収集することができる便利なモノということです。
AiとIoTを組み合わせるとは
IoTはモノのインターネット化、一方Aiは大量のデータを学習することができ、人間同等、もしくは人間以上の知的判断が可能になる人工知能技術です。
これらを組み合わせるというのは、簡単にいうとIoTが生み出したデータや収集した大量のデータ群を、Aiが学習するというような、お互いの足りない部分を補うといった形です。
Aiの中には、Ai自らが学習用のデータを生みだせるものもありますが、人間が時間をかけて教えたり、人間が長年の間蓄積してきたデータを学習させたりする方式が一般的なAiの学習方法になります。ですので、人間以上の知的判断を可能にするには、当然ながら十分な学習データが必要になってくるというわけです。
一方IoTにおいては、クラウドコンピューターで情報の収集や処理、管理を行います。ハードウェアは年々進化するものの、多くのデータを処理するソフトウェアがなければネットワークにつながっただけで、製品によってはあまり利便性がないものもあります。
このように、AiとIoTが組み合わさることにより、Aiが処理すべきビッグデータはIoTから収集し、IoTにおける高度な処理のためにAiが活用され、お互いに足りない部分を補完しあうことができるというわけです。
Ai×IoTを企業が取り入れるメリット
ここからは、実際にAi×IoTを取り入れた企業の例をご紹介しながら、企業がAi×IoTを取り入れるメリットについてご紹介してまいります。
正確に情報を管理することができる
まずは、企業の情報管理などにおいてAi×IoTを取り入れることで、インターネット上のクラウドを用いて情報を管理したり、Aiが処理を行ったりしますので、ヒューマンエラーを防ぐことができます。結果的に、正確な情報を管理し、それを続けることができるというわけです。
実際に東芝は活動量計を作業員の動きをとらえるためにAi×IoTを活用し、作業の効率化を図ろうとしています活動量計は腕に巻きつけるタイプで、台車移動や歩行、手作業、静止といった4種類の作業内容を推定することができます。
これらの情報はたった1日で分析され、標準作業工数とのギャップを把握し、改善が行なわれ、作業エリアを分類し作業状態を計測すれば、どこにギャップが存在するかが詳細にチェックすることが可能です。
作業効率の最適化も可能
更に、IoTが収集したデータをもとにAiが最適な作業方法を提示することで、作業効率の向上や生産性アップなどを図ることができます。
特に、このシステムの導入が革命であるとされている業種は宅配業です。近年宅配業界で問題視されているのが受取人の不在による再配達問題です。再配達では再びドライバーが不在であった受取人の自宅まで荷物を配送する必要があるためその分コストもかさみます。これらの対策として分譲マンションなどからすでにIoT宅配ボックスなども導入され始めていますが、配送業者にも配送ルートを最適化するサービスの導入が始まっています。
このシステムは、アプリやパソコンから受取人が配達希望の時間などを入力し、それらの情報をもとにAiが最短ルートをドライバーに提示するというものです。荷物の受け取り時間、配送業者の到着の時間が近づいてきたら、受取人にメールで知らせることもできます。
マーケティングでは欠かせない需要予測も可能
人がモノを買いたくなる時期、購買欲をそそられる商品などは、変化することがあります。そこへ過去の売れた商品、売れなかった商品などの大量のデータを収集し、それらをAiに読み込ませることで、次にヒットする商品を考え出すことができるようになります。
earth music&ecologyなどの若い世代の女性向けファッションブランドを展開しているストライプインターナショナルでは、2019年度の事業計画の目玉にAiのデータ分析強化による仕入高の大幅削減を掲げました。2018年に、同社主力ブランドのearth music&ecologyでAiによる在庫最適化の検証を実施したところ、値引き率が大幅に改善され、利益が2倍に跳ね上がったといいます。
また、在庫管理にAiを活用することで、『何が売れている』『何が売れていない』というのがはっきりデータとして可視化されるようになりますので、お客の購買傾向などを分析しながらトレンドをつかむことも可能になりました。
Ai×IoTカメラの導入で防犯もばっちり
更に近年ではIoTカメラにAiを搭載した防犯カメラもあります。怪しい人物を大量の怪しい動きをする人物データを学習したAiが、店頭で怪しい人物を見つけるとその人物の動向を追うことができるという高セキュリティなシステムです。
実際にこれは、アメリカの無人コンビニ『AmazonGO』にも導入されており、防犯の他にも在庫管理や客層の把握などにも利用されています。
まとめ
今回は、Ai×IoTを導入した企業や店舗の事例を交えながら、企業がAi×IoTを導入するメリットについて解説いたしました。
Ai単独ではできないこと、IoT単独ではできないことそれぞれをお互いに補い合ったAi×IoTのシステムを導入することで、企業は今まで以上に生産性の向上や作業効率の向上を図ることができるでしょう。こうした技術の活用は社員や出資額の多い大企業に限らず、中小企業や飲食店などの個人店舗への導入ももちろんできます。
逆に言いますと、中小企業や個人店舗には店舗やオフィスに常駐するスタッフが少ない可能性もあります。そうした企業や店舗こそ、人間の目の行き届かない場所や、人間が作業をしなくてもよいような単純な作業などをAiやIoTに任せることで、人材コストを削減することも可能です。
是非、Ai×IoTを導入して、より良い企業作り、店舗作りを実現しませんか