Aiと人間の学習方法の違いはある?Aiはいつ人間を超えるのか

近年テレビ番組などでも『Ai』が多く取り上げられるようになり、中には『Aiはいつか人間の知能を超える』、『人間の仕事を奪う』などと不安をあおるような内容もあります。
しかし、実際にAiの知能が現在どのくらいで、あとどのくらいでAiが人間の知能を超えるのかという点についてはわからないという方がほとんどであるはずです。人間が作り出したロボットが人間の知能を超えるなどということは本当にあり得るのでしょうか。
本記事では、Aiと人間の学習方法の共通点やAiと人間の違いなどを解説したうえで、Aiがいつか人間をこえるときが来るのかという点について言及してまいります。
Aiと人間における『学習』の違いとは
Aiはビッグデータを取り込むことでそれを学習材料とし、学習していくとされています。人間も本や教科書、経験の中で得たものを踏まえて学習していくという点については同様のように思えるでしょう。
では、Aiと人間の学習方法の違いとはどのような事項があげられるのか下記に解説していきます。
Aiにおける学習について
前述にもあるようにAiと人間の学習方法といえば、双方とも基本的にデータ(記憶)や経験から学習していくという構造に関してはどちらも同じです。
しかし、Aiは学習をすることにおいて『何かを果たす』『何かを得る』などの目的を持っています。たとえるならば、Aiをゲームに利用したケースで、この時Aiは『ゲームに勝つ』『ゲームをクリアする』などといったことを目的としていると考えられるでしょう。Aiは学習したデータをもとに都度戦略をとりながら『目的を果たす』ということだけに学習データを利用するので人間と違い、余計な邪念などが入りません。
Aiは機械であり、あくまでも機械的にしか動くことができないということです。
人間における学習について
一方、人間には『感情』というものがあります。学習の過程において『つらい』『いやだ』などと感じて学習の効率が落ちたり、Aiのように一度に多くのデータを取り込むことはできなかったりするといった点がAiとの相違点です。
また、こちらもAiの例と合わせてゲームで例えますと、人間の場合相手との対戦時、相手に勝つために普段とは違う戦略をとったり、緊張して最高のパフォーマンスができない場合も考えられるのです。それは人間にある『感情』という概念が邪魔するのであって、その点Aiは淡々と学習し、学習したことを淡々とこなすことができるのでそこに学習したこと以外のことは存在していません。
このように、学習の過程は同じであっても、人間の場合は感情がありますので学習データを取り込むスピードや、取り込んだデータを出す力、保存する力は圧倒的にAiのほうが有利であるという点が、双方の『学習』における相違点であるといえるでしょう。
Aiと人間の学習方法の共通点
一方、Aiと人間の学習方法には共通点もあります。特に、Aiの学習方法の一つに『ディープラーニング』という技術があるのを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、このディープラーニングこそ、人間の脳の神経ネットワークを模倣して作られたものになるのです。また、ディープラーニングの仕組みを単純化してプログラミングしたものはニューラルネットワークと呼ばれています。
ディープラーニングやニューラルネットワークについては下記の記事にて詳しく解説しておりますのでご覧ください。
人間は、経験なども学習データとして取り込むことができます。例えば、道を歩いていて『こちらの道が近いかもしれない』といって試してみた道が、意外にも近道であったり、他の道とつながっていることを発見することができたりすることがありますよね。しかし、Aiの場合は学習したデータをもとにしか実践することができませんので、『こっちの道は間違いだ』と認識してしまうわけです。
要は、人間には自分で学習していく力があるが、Aiには自分で学習していく力がなかったということです。これを改善し、Ai自身も自分で学習し、判断ができるよう、人間の脳の仕組みを真似たシステムが『ディープラーニング』技術になります。
ですので、ディープラーニング技術を持ったAiについては人間の学習方法とほぼ同様です。しかし、この場合でもAiにはもちろん『感情』はありません。
Aiが人間の知能を超えるときは来るのか
Aiが人間の知能を超える超えないという議論については、あと50年後にはAiが支配するようになるという科学者や2045年にはAiが人間を超えるという科学者、はたまたAiが人間を超えることはないという科学者もいるなどそれぞれの見解によって意見が異なっているのが現状です。
しかし、先ほども申し上げたように、情報を処理するスピードに関してはAiはすでに人間を超えています。Aiと対戦することができるゲームなどを利用したことがある方はわかるかもしれませんが人間がAiなどのコンピューターに勝つのはほぼ難しくなっていますよね。正確性やスピード感でいえば、すでにAiは人間の知能を超えているのです。
とはいえ、いくらディープラーニングの技術を搭載したAiでも、人間のように様々な知識を蓄え、それを様々な分野に活かすことはできません。つまりはAiは一つの分野に対する学習ばかりを行えばその道のプロフェッショナルになることはできるけども、それ以外の分野について勉強しようと思えば、学習データはすべてリセットされてしまうということです。そういった意味では人間の知能を超えるにはまだ一定の時間がかかりそうですし、今後も人間がうまくAiを活用することで特定の分野に関しては作業効率や正確性を上げたりすることには貢献できるということになります。
まとめ
こうしてみると、学習をするにあたって、経験や感情というものは意外にも重要であるということがわかります。いくら、より早く、より正確に学習ができたとしても、そのデータをもとにしか動くことができなかったり、回数を重ねてもそこから得られるものがなければ、スタート地点から成長することはできないということです。その点、人間はAiのようにスピード感はなく、正確性もかけるところがあるものの、多方面の分野を学習することができ、それぞれで得た知識を様々に生かすことができます。
そういった意味では、やはり人間とAiは今後相互補完関係になっていくと考えられるのではないでしょうか。