Ai先進国中国でAiアナウンサーがデビュー!ますます身近になる世の中のAi化

Ai先進国ともいわれる中国ですが、過去20年間で排出されたAiに関する研究論文はなんと約13万4000本にのぼるといいます。そんな中国が、中国のニュース番組において2018年、Aiアナウンサーをデビューさせました。それに続いて、日本でも実際にAiアナウンサーの採用が各テレビ局で始まってきています。このように普段の私たちの生活の中にもAiが浸透してくることで、ますます世の中のAi化を身近に感じられるようになってきました。

特に情報化が進む現代において、世の中の現状を伝えるテレビやラジオなどのニュースは生活の中で重要な存在といえるでしょう。それがAiによってアナウンスされることは、生活にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?そして、Ai技術はアナウンサーをどのように進化させていくのでしょうか。

中国メディアで登場したAiアナウンサーとは

2018年11月、中国国営放送の新華社がIT企業と共同で開発したという、男性AIアナウンサーを公開して話題となりました。この男性Aiアナウンサーは2018年11月のリリース以降、すでに3400件の報道、時間に換算すると合計1万分のニュースを報じる実績を積んでいるといいます。

2019年3月には同社がさらに、実在するジャーナリストをもでるにした女性Aiアナウンサーを公開し、中国メディアではすでにAiアナウンサーが活躍をしています。

これらのAiアナウンサーは、実際のアナウンサーの映像から声、唇の形、表情などを抽出し、ディープラーニング(深層学習)技術を用いて再現されました。人間がテキスト記事を入力すると、AIアナウンサーは人の声や口の形を真似てニュースを伝えるという仕組みで、その姿はほぼ生身の人間と見分けがつかないほどと評価されています。

 

日本のAiアナウンサー事情

一方、日本においてもAiアナウンサーの採用が各局で広がってきています。

ディープラーニングを活用した『荒木ゆい』

荒木ゆいはソニービジネスソリューションが2018年12月に提供を発表したAIアナウンサーです。このAiアナウンサーは約10万件の実際にアナウンサーが読んでいるニュース音声を、ディープラーニングの技術を活用して様々なニュースのシーンにおけるより人に近い自然な発音、アクセントやイントネーションを習得し、自動で原稿を読み上げることができるようになりました。

ズームインをはじめとした各テレビ番組や、YouTubeのホリエモンチャンネルなど活躍の幅を広げていて、私たちの身近なところで活用が進んでいます。

NHKのAiアナウンサー『ニュースのヨミ子さん』

ニュースのヨミ子さんは、NHKが開発しているSDCGアナウンサーです。平昌オリンピックでも実際に活用された『ロボット実況』の技術、ニュースの読み上げ向けに改良して開発したものです。このAiアナウンサーは実際のNHKの番組『ニュース シブ5時』のコーナーや『気になるニュースランキング』に出演しています。更にGoogle アシスタントやAmazonのEcho端末に呼びかけるとヨミ子に繋げることができ、聞きたいジャンルを選んでヨミ子さんにニュースを選んで貰うことができます。

 

Aiがアナウンサーをどう変えるのか

このように、Aiアナウンサーが様々なところで活躍を見せているわけですが、そもそもこのAiアナウンサーを活用することにはどのようなメリットがあるのか気になるところです。ここからは、Aiアナウンサーのメリットと、Aiアナウンサーが今後どのように進化していくのかというところに触れていきたいと思います。

Aiアナウンサーのメリット

AI アナウンサーには、人間にアナウンサーに比べて様々なメリットがあります。例えば、実際の人間が働くことのできる時間が8時間ほどであるとすれば、Aiアナウンサーは24時間疲れ知らずでアナウンサーの仕事をこなすことができます。そうすることで、突発的な自然災害時の報道、イベント時の繰り返し放送される場内アナウンスなどもAiアナウンサーを活用することで、人間の労働時間を削減することが可能です。

更に、日本語だけでなくAiアナウンサーは外国語を学習することで、日本語のアナウンスのみならず多言語に対応したアナウンスで情報を発信することができるようになります。これにより、外国人が日本に観光などで訪れている際でも、各地の情報を迅速に得ることができるようになるわけです。

また、Aiは淡々とした繰り返しの作業を得意とします。ですので、同じ情報を繰り返し放送したい場合や、一定の時間に同じニュースを毎日流したいという場合にもAiアナウンサーは活躍するでしょう。

 

Aiアナウンサーのこれから

AIアナウンサーの読み上げの精度は、かなり実用に耐えうる精度になりました。ただ、現在日本で活躍しているAiアナウンサーのほとんどは、中国のAiアナウンサーよりもまだバーチャル感が強いイメージです。

今後は中国のAiアナウンサーのように生身の人間のような身振り手振りで情緒を交えたAiアナウンサーが増えてくることでしょう。
また、画像生成によってアナウンサーのデザイン自体から作りだしたり、自然言語処理と組み合わせたリアルタイムでのコミュニケ―ションを可能にしたりなど、他のAI技術と組み合わせた進化にも期待です。

 

まとめ

常にリアルタイムで情報が更新されていく現代、それに人間が追いついていくのはもう、もはや難しい時代であるのかもしれません。そんな時にAiアナウンサーが24時間365日、新しい情報を絶え間なく届けてくれるとすれば、私たちの生活において情報不足で困るということが少なくなる可能性もあります。

また、特に深夜帯のニュース番組においては24時間出演が可能なAIアナウンサーがいれば深夜に労働をしなければならない人員の代わりができ、さらに視聴者は24時間のニュースの視聴が可能になります。いずれはAiアナウンサーだけでなく、AIが番組の進行など全ての工程を担当してくれる時代が来るかもしれません。